補聴器

加齢性難聴と認知症

加齢性難聴の頻度ですが、50代後半から25dB以上の難聴が増え始め、補聴器の必要性が高い中等度難聴(40dB以上)は男性では60歳代から女性では70歳代から増加します。

この加齢性難聴は、生産性の低下や離職、うつなど社会活動の減少を引き起こし、また孤立、健康に対する知識や理解および判断の低下、コミュニケーション障害、ひいては認知症の原因ともなります。

2017年に臨床医学の最高峰雑誌であるランセットに載った論文では、認知症に影響する潜在的に予防可能な合計35%の因子の中で中年期以降の難聴が9%という最大要因であることが示されています。すなわち、難聴を予防するまたは介入することが、認知症の予防に極めて重要であるということが示されています。

もちろん、職場での騒音にさらされる騒音性難聴やヘッドフォン等で大音量の音を聞き続けることによる音響性難聴など防ぎうる難聴の予防をすすめる事はもちろんのこと、補聴器等の適切な活用により、すべての高齢者が難聴による生きづらさを感じることなく元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会づくりが必要です。

しかし、外国と比較して(イギリス42%、フランス34%、2015年)日本の難聴者の補聴器所有率は14.5%と低い現状があります。

聞こえのチェックシートで当てはまる項目が3つ以上ある方は、当院へ一度ご相談ください。良い聞こえで人生を楽しみましょう。