院長のコラム

 「喘息と診断されたけれど、治療(特に吸入)はいつまで必要なの?」
患者さんからよくいただく質問です。

喘息治療の基本

喘息は、気道(息の通り道)に炎症が起こり、狭くなる病気です。
たばこの煙やホコリなど、わずかな刺激にも反応しやすく、咳や息苦しさが出てしまいます。
症状がなくても気道の炎症や腫れは続いていることが多いため、注意が必要です。

どのくらい治療を続けるの?

治療期間は症状の程度や病状によって異なります。
検査(呼気中一酸化窒素、スパイログラム、呼吸抵抗など)の結果や経過を確認しながら、
2か月から6か月程度は吸入療法を継続することが推奨されます。

症状が改善したからといって早めに治療をやめてしまうと、炎症が残ったまま進行し、
喘息が難治化したり、肺機能に悪影響を及ぼす可能性があります。

治療をやめるときの注意点

治療の中止を検討する際には、一度吸入を止めて検査を行い、
炎症が再び悪化していないかを確認しながら判断します。

特に症状や病態が軽い患者さんでは、2~6か月の治療で一旦終了となることもありますが、
再発がないか慎重に経過をみることが大切です。

継続的な治療の重要性

喘息は症状がなくても気道で炎症が続いている病気です。
「もう大丈夫かな」と自己判断で治療を中断するのは危険です。
自覚症状がなくても継続的に治療を行うことが、喘息を上手にコントロールする秘訣です。

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